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別表3 デブリーフィング・チームの役割

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CISDチームとは、デブリーフィング等を行うために精神保健の専門家と特別な教育訓練を受けた消防職員等によって組織されたチームである。
米国のロサンゼルス市消防局では、すでに約一五〇人の職員がカウンセリングやデブリーフィング等の教育を受けているという。なおCISに関して特に強調されているのは次のような点である。
(一)CISは人間として正常な反応であり、精神的な弱さを示すものではない。
(二)CISへの対応と十分な職員教育はトップマネジメントである。
(三)ストレス反応に関して職場内でオープンに話し合える雰囲気を作る。
(四)社会の他の分野の友人達との交流や幅広い趣味、レクリエーション活動等。
(五)規則正しい運動や健康な食生活の維持、酒等の嗜好晶に頼らない生活。多数の死者が発生した凄惨な現場活動等、CISが予想される場合には専門家の指導を受けてタイムリーなストレス軽減・発散法を組織的に行うことが必要であり、時系列的には、別表3のようなストレス対処技法が標準的である。
また、ストレス・レベルに応じた対処法が考慮され、ストレス・レベルが低い場合は、デモビリゼーション、デフュージング等で十分な場合もあるが、ストレス・レベルが高くなるにつれてデブリーフィング、カウンセリング、サイコセラピー(心理療法)や薬物療法という具合に順次その症状に応じた個別的対処療法が必要となってくる。
別表3【デブリ−フィング・チームの役組】参照
七、解隊サービス(デモビリゼーション)等について
心傷性災害ストレスが予想される災害現場では、解隊サービス(デモビリゼーション:Demobilization)を実施する。これは部隊を指定して、一時的にでも災害活動の最前線を離れさせ、リラックスできる場所を確保して休息を与えて気分転換を図るものである。これは、兵士の戦闘ストレスを軽減させるためにイスラエル軍で効果的に活用されている技法であり、消防の場合には指定された消防部隊が飲料水や多少のスナックをつまんだり、災害に起因してどのようなストレス反応が予想されるか、またどうすればストレスを軽減できるかの指導を受ける場である。デモビリゼーションは長くても三〇分程度でありローテーションを決めて実施し、参加隊員の感情発散や恐怖感の減少を図る。
また、災害活動をする職員が、現場活動中に個々のレベルでストレスを軽減する方法としては次のような方法が推奨されている。
(一)時々、意識的に深呼吸をして心を落ち着ける。

 

 

 

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